ソニーの小型軽量の動画撮影向け VLOGCAM ZV-1M2 の特徴や ZV-1 との違い
超広角レンズを搭載した VLOGCAM ZV-1M2 が発売
ソニーの動画撮影に特化したカメラ VLOGCAMシリーズの
1.0型イメージセンサー搭載モデルに超広角ズームレンズを搭載した
VLOGCAM ZV-1M2 が2023年6月23日(金)に発売となっています。
VLOGCAM ZV-1M2 は2020年6月19日に発売となった
初代の VLOGCAM ZV-1 の後継機となるモデルとなっていて
ZV-1ユーザーの意見等も参考にして開発されていますよ。
前機種となる ZV-1 はデジタルスチルカメラからの
派生といった感じのモデルとなっていたために
レンズの仕様が動画撮影に最適という訳では無かったので
そこが新商品では最適化されているというのが大きな特徴です。
また従来の動画撮影ではLog撮影を行ってから
グレーディングを行うというのが基本となっていましたが
カメラで撮影時にルックを適用することで
(シネマッティックVlog設定、クリエイティブルック)
編集の負担を減らすことができる機能も拡充されています。
その他、前機種での不満点に細かく対応しているので
非常に使いやすいモデルに進化をしています。
ということで VLOGCAM ZV-1M2 の特徴等を紹介したいと思います。
VLOGCAM ZV-1M2 と ZV-1 のレンズの違いなど
VLOGCAM ZV-1M2 と ZV-1 の一番大きな違いは
搭載しているレンズの仕様になるかと思います。
ZV-1M2 は ZEISS Vario-Sonnar T* 18-50mm F1.8-4.0 の
広角側が18mm(35mm判相当)のズームレンズを搭載ですね。
モデル | ZV-1M2 | ZV-1 |
レンズ | ZEISS Vario-Sonnar T* | |
焦点距離 (35mm判相当) |
18-50mm | 24-70mm |
F値 | F1.8-4.0 | F1.8-2.8 |
広角側18mm で広く撮れる
レンズの広角側は ZV-1M2 が18mm、ZV-1 が24mm ということで
ZV-1M2 の方が圧倒的に広い画角を実現しています。
前機種の ZV-1 は 24mmとなっていますが
動画撮影時は手ブレ補正アクティブモードを使用すると
更に画角が狭くなるので実際は28mm くらいの感覚でしょうか。
そうなってくると特に自撮りの場合は画角が足りないといった
状況になってくるかと思います。
そもそも ZV-1 は静止画撮影向きのサイバーショトから
動画撮影向きにデザインしたモデルとなっているのですが
レンズはそのまま流用しているので静止画撮影向きの
標準ズーム 24-70mm となっていた訳ですね。
とまぁ 24mmでは厳しいといった状況だったので
新商品では 18-50mm のレンズを搭載となっています。
手ブレ補正アクティブモードを使用しても
20mmの感覚で使えるので最適な画角と言えますね。
望遠側はF値4.0となっているのが残念ポイントですが
動画撮影時は広角側がメインとなるということもあって
本体サイズを維持しつつ 18mm F1.8 を実現するための
妥協点といったところになるでしょうか。
広角レンズはサイズが大きくなりがちなので
本当は残念ポイントではなく非常に優秀なところですよ。
光学式手ブレ補正は非搭載だけど
ZV-1 はレンズシフト式の光学式手ブレ補正を搭載でしたが
ZV-1M2 は光学式手ブレ補正は非搭載となっているので
その辺りが気になる人も居られるかと思います。
もちろんあった方が良いに越したことはありませんが
動画撮影時の広角側では光学式の効果はあまりないこともあり
実際に手ブレ補正アクティブモードを使用しての動画撮影時は
ZV-1 と ZV-1M2 で比べてみても違いが分からないかと思います。
望遠側の静止画撮影になると使い勝手に違いが出ますが
そこは動画撮影向けのモデルということで。
静止画撮影機能について
前機種の ZV-1ではメカシャッターを搭載していましたが
ZV-1M2 では非搭載になっているのも気になるところでしょうか。
メカシャッターは非搭載ですがアンチディストションシャッターを
搭載しているのでメカシャッターと使用感は変わらないかと思います。
シャッター速度が1/4秒までしか抑えられないので
長時間の露出をするような特殊な撮影が出来ないくらいなので
普通に使う分には問題はありません。
ZV-1 と同様に最大24コマ/秒のAE/AF追従の連写や
RAW撮影などにもしっかり対応となっていますよ。
ちなみにバッファが増えているので連続撮影可能枚数は
最大188枚になっていて前機種より向上していたりします。
とまぁ動画撮影向きのモデルとなっていますが
静止画撮影においても一般的なスマートフォンと比べれば
断然優れていたりしますね。
BIONZ X の搭載について
ミラーレス一眼カメラの最新モデルは BIONZ XR を搭載なので
BIONZ X ということで残念に思われるかもしれませんが
ZV-1M2 で採用している BIONZ X とフロントエンドLSI は
ミラーレス一眼カメラ α9(ILCE-9)と同世代のものなので
この小型軽量ボディで α9 と同等クラスというのを考えれば
十分すごかったりしますよ。
地味に使える NDフィルターを内蔵
前機種の ZV-1でも搭載となっていましたが
色彩を変えずに光量だけを減少させることが出来る
NDフィルターを内蔵していて絞り値にして3段分、
1/8の光量まで調整することが可能となっています。
(EV範囲の上限はEV19)
80万円くらいする Cinema Lineカメラ FX6 でも
NDフィルター(可変式)を内蔵していますが
動画撮影ではスローシャッターを活用するシーンも多く
光量が多い場所での表現の幅が広がりますよね。
シネマティックな撮影等が手軽に楽しめる
VLOGCAM ZV-1M2 はグレーディングが不要な撮影方法を
新たに搭載しているので初心者でも扱いやすくなっているかと思います。
映像の専門用語的なものなので、あまりよく分からないという人に
かみ砕いてザックリと説明してみますが
『ルック』とは映像の階調と色調のことを表しています。
『LUT』とは『Lookup Table』の略となっていて
ルックアップテーブルということで『ルック』(階調と色調)を
調整するといった感じに覚えると良いでしょうか。
『グレーディング』とは撮影後に映像の階調と色調を
整える画像加工処理のこととなっていて大きくとらえれば
ルック・LUT・グレーディングは同じような意味合いとなります。
ちなみに階調と色調を整える画像処理については
ドラマや映画の映像は少し色彩が落ちていたり
青みがかかったような映像になっていて
普段、目で見ているのと違った印象を持つかと思います。
逆にドキュメンタリーやバラエティ、ニュースなどの映像は
普段、自分の目で見ている映像に近いですよね。
ルック・LUT・グレーディングはドラマや映画のような
(もちろん普段、目でみているような印象にもできます)
映像にするためのものと思って頂ければ良いかと思います。
正確には違いますがイメージとしては
・ルック:カメラ内で階調と色調を適応する機能
(少し言い換えればカメラ内でLUTを充てたような状態)
・LUT:階調と色調を適応するための情報(.cubeファイル)
・グレーディング:記録映像にLUTを適応すること
(本来の意味合いとは少し異なりますが)
といった感じになるでしょうか。
従来は S-Log3などのLog撮影を行うことで
階調や色調を適応していない状態の映像を記録し(原版的な)
後からLUTを適応してグレーディングを行います。
(専門用語的にはLUTをベイクするって表現ですね)
VLOGCAM ZV-1M2 はグレーディングが不要な撮影方法として
・シネマティックVlog設定
・クリエィティブルック:10種類から選んで微調整も可能
(マイイメージスタイル)
を新たに搭載となっていてグレーディングが不要ということで
グレーディングを行う手間や時間を節約することができます。
ただし階調や色調を適応した状態で記録がされるので
後から階調や色調を変更したい時には更なる手間がかかったり
クオリティーが下がるのが短所となります。
なので記録した映像が最終の仕上がりとすることが前提ですね。
全然違うのですがイメージ的に言えば
Log撮影は静止画で言えばRAWでの記録みたいなもので
情報量が多いのでJPEGで撮影したものを後から編集するより
クオリティーが高い編集が可能といった感じでしょうか。
原版が残るので後から納得のいく調整が可能となります。
新機能『シネマティックVlog設定』
新機能の『シネマティックVlog設定』は
手軽にシネマティックな映像を撮影することが可能です。
ソニーの考えるシネマの定義としてアスペクト比は
シネマスコープの 2.35:1でフレームレート24pで固定され
後は5種類のルック(コントラストや彩度)と
4種類のムード(色味)を選ぶだけで映画っぽく撮影できる機能ですね。
フルサイズモデルの ZV-E1 では S-Cinetone を搭載していますが
ZV-1M2 は仕様上搭載が無理ということで(BIONZ X と XR の違い)
代わりに CLASSIC というルックが採用されています。
クリエィティブルック
静止画と動画を撮影時に自分好みの映像表現が可能な
クリエイティブルックに対応となっていて
全10種類からお好みのモードが選択可能です。
ST:被写体シーンに幅広く対応する標準の仕上がり
PT:肌をより柔らかに再現。 人物の撮影に最適
NT:彩度 シャープネスが低くなり、 落ち着いた雰囲気に表現
VV:彩度とコントラストが高めになり、より印象的に表現
VV2:明るく色鮮やかな発色で、明瞭度の高い画像に
FL:メリハリのあるコントラストを加えることで雰囲気をアップ
IN:コントラストと彩度を抑えたマットな質感に
SH:透明感柔らかさ・鮮やかさを持つ明るい雰囲気の仕上がりに
BW:白黒のモノトーンで表現
SE:セピア色のモノトーンで表現
更に各々コントラスト、ハイライト、シャドウ
フェード、再度、シャーップネス、明瞭度などが
10~19段階で調整することが可能となっています。
といった感じで後からではなく撮影時に
自分好みの色味や雰囲気を作りこむことが可能です。
特に後から編集するのは面倒なのでしないよって人に
オススメの機能になっているでしょうか。
あと、マイイメージスタイルという新機能が搭載されていますが
おまかせオートやシーンセレクションでの撮影時に手軽に使える
クリエィティブルックの親戚みたいなものですよ。
(以前のマイフォトスタイルが進化して帰ってきたみたいな)
本体内蔵マイクの使い勝手が向上
前機種の ZV-1 は指向性3カプセルマイクを搭載していて
カメラの前方の集音を重視した仕様となっていました。
その為に被写体と撮影者の両者が発言した際に
前方の被写体の声はハッキリと録音ができるのですが
撮影者の声は聞こえにくかったりするのが問題となっていました。
そこで ZV-1M2 はインテリジェント3カプセルマイクを搭載し
指向性を「オート」「前方」「全方位」「後方」で
切り替えることが可能となっています。
ちなみにオートの場合は人の顔を認識して
「前方」と「全方位」を自動で切り替えてくれますよ。
内蔵マイクの指向性の切り替えができるようになることで
外部マイク無しでの使い勝手が良くなっています。
それとウインドスクリーンが付属となっているので
風の強い屋外でもノイズを低減させつつ
しっかりと音声を録音することも可能ですね。
手軽に使える便利な機能なども進化
ZV-1M2 は手軽に使える便利な機能を搭載しています。
顔優先AEや美肌効果で肌の色合いが
健康的で自然な印象にできるのもポイントでしょうか。
「商品レビュー用設定」時の手ブレ補正に対応
「背景ぼけ切り換え」「商品レビュー用設定」が
本体に搭載しているボタンでワンタッチで
変更できるのもお手軽となっています。
ちなみに「背景ぼけ切り換え」に関しては
通常のカメラだとF値を変更することで可能で
「商品レビュー用設定」は AFの被写体追従感度などを
変更する必要がありますがボタン一つで
良い感じにしてくれるのが VLOGCAM ならではの機能です。
「商品レビュー用設定」は商品を紹介する動画で
紹介者が小物等を紹介する際に手のひらで後方を隠して
手前の小物にフォーカスが合うようにしていたりしますが
手のひらで隠さなくても紹介者の顔と商品のフォーカスを
スムーズに移動させることが可能となります。
ちなみに前機種では「商品レビュー用設定」時は
手ブレ補正機能を利用することが出来なかったのですが
ZV-1M2 では可能となったのでカメラ本体を手持ちしながら
商品の紹介をすることが出来たりするかと思います。
動画撮影時の動物瞳AFに対応
リアルタイム瞳AFに対応となっていて
前機種の ZV-1 では動画撮影時は人物の瞳AFのみ対応でしたが
ZV-1M2 では新たに動物の瞳AFに対応となっています。
(前機種でも静止画撮影時は動物瞳AFに対応)
フォーカスが鼻先などに吸われて合わせるのが難しい
ペットの撮影などで強力な武器になっているので
前機種からの買い替え理由のひとつになりますね。
動画撮影時のセルフタイマーと強調表示
動画撮影時にカウントダウンを行う
セルフタイマー機能を搭載となっているので
撮影開始時の余分なシーンを無くすことが出来るなど
後から編集する一手間を省くことが可能です。
(例えば机の上に置いて自撮りを行う場合
録画ボタンを押して撮影位置に戻る時の場面が無くせるなど)
また最近のモデルでは当たり前の機能なのですが
前機種の ZV-1 が登場したときには非搭載となっていた
録画中にモニターのフチの部分を赤色で強調する機能を搭載し
録画ランプと合わせて録画状態がひと目で確認が可能です。
録画ランプや強調表示はON/OFFも可能となっていますよ。
まぁまぁまぁ 他にも便利な機能が色々とありますが
その辺りはマンガ部分や商品情報ページにて御確認下さいね。
タッチ操作対応で操作性が向上
前機種もタッチパネルを搭載となっていましたが
タッチフォーカス、タッチシャッター、タッチトラッキングに
対応となっているだけで各種操作・設定やメニュー画面などの
タッチ操作には非対応となっていました。
新商品の ZV-1M2 は各種のタッチ操作に対応となり
液晶画面上に表示される操作アイコンをタッチで
簡単に操作や設定が可能となっています。
もちろんメニュー画面などもタッチ操作に最適化された
UIを新たに採用していたりしますよ。
前機種で自撮り時は「Fnボタン」が背面にあるため
即座に操作ができませんでしたが ZV-1M2 では
モニターでも呼び出すことが可能となっているので
操作感がかなり良くなっているかと思います。
VLOGCAM ZV-1M2 のザックリまとめ
前機種の ZV-1 で特に言われたのが 24mmの物足りなさだったので
18mm の対応は使い勝手がかなり良くなったのではないでしょうか。
その他の部分も最新の機能をしっかりと取り込んでいたり
シューティンググリップを使用時のバッテリー交換の対応や
内蔵マイクの指向性の問題なども しっかりと対応されているので
正に後継機といったモデルになっているかと思います。
VLOGCAMシリーズには APS-Cモデルやフルサイズモデルもありますが
ZV-1M2 は小型軽量で機動力が高いのが大きな特徴となっています。
手軽に使えることもあってスマートフォンで動画撮影をしている人で
ワンステップアップしたいなと思っている人にオススメですね。
シューティンググリップ GP-VPT2BT が同梱となっている
シューティンググリップキット ZV-1M2G は
付属のバッテリー NP-BX1 が2個付属となっているので
ZV-1M2 と GP-VPT2BT を個別に購入するより
バッテリーが1つ分お得になる計算となっていますので
シューティンググリップ GP-VPT2BT をお持ちでない場合は
ぜひ、そちらを御検討下さいね。
ということで VLOGCAM ZV-1M2 を宜しくお願い致します。
ZV-1M2 2022年6月23日 発売
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