立体音響が楽しめるフラッグシップサウンドバー HT-A9000 の特徴と前機種との違い
ソニーがフラッグシップサウンドバー HT-A9000 を発売します。
HT-A9000 はスピーカー構成を一新することで
単体でも立体音響技術「360 Spatial Sound Mapping」が
楽しめるように進化しているのが大きな特徴です。
気になる前機種 HT-A7000 との違いやお得な情報も御紹介しています。
目次
立体音響が楽しめるフラッグシップサウンドバー HT-A9000
ソニーから広がりのある立体音響をスリム筐体で実現する
フラッグシップサウンドバー HT-A9000(BRAVIA Theatre Bar 9)が
2024年6月1日(土)に発売となっています。
HT-A9000 は2021年8月28日(土)発売の HT-A7000 の
後継機なので約3年ぶりの新商品となっていますよ。
HT-A7000 はサウンドバーということで手軽に設置が出来て
臨場感のあるサラウンドが楽しむことが可能となっていて
別売のリアスピーカーを追加することによって
包み込まれるような立体音響を体感することが出来るなど
非常に人気の高いモデルとなっていました。
そんな HT-A7000 の後継機ということで、
しっかりと進化をしての登場となっていますよ。
立体音響技術「360 Spatial Sound Mapping」
HT-A9000 の一番の特徴と言えるのが立体音響技術の
「360 Spatial Sound Mapping」になっているかと思います。
更にサウンドバー単体でも対応となっているのが大きな進化点です。
HT-A9000 はサウンドバーから出る音の波面を合成することにより
実際にはスピーカーの無い位置に音場を形成することで
前方から側方にかけて5個のファントムスピーカー(仮想音源)を
生成して立体感のある音場を実現しています。
ファントムスピーカーという呼び名は聞きなれないので
バーチャルスピーカーとか言いたいところですが
バーチャルサラウンドという言葉が既にあるので、
そちらと混同しないようにファントムスピーカーと
呼んでいるのではないかと思います。
バーチャルサラウンドは実際には音が出ていない方向から
聞こえる気がするといった錯覚を利用したサラウンドですが
(映像と合わせることで聞こえてくる方向の認識を強化できる)
「360 Spatial Sound Mapping」は実際に音場を形成しているので
4台のスピーカーが無い方向からの音が本当に聞こえます。
前機種の HT-A7000 はサウンドバー単体では
「360 Spatial Sound Mapping」に対応していないため
バーチャルサラウンドで補強していたという感じですね。
また HT-A9000 は別売のリアスピーカーで拡張することで
側方から後方にかけてのファントムスピーカーが追加され
音に包まれるような音響空間を形成することが可能です。
- サウンドバー単体:5ファントムスピーカー
- リアスピーカー SA-RS3S 追加時:9ファントムスピーカー
- リアスピーカー SA-RS5 追加時:11ファントムスピーカー
SA-RS5 はイネーブルドスピーカーを搭載していて
後方の天井からの音場が形成できるのが SA-RS3S との違いです。
ちなみに前機種の HT-A7000 では、どちらのリアスピーカーも
出力調整範囲が+6dBまでとなっていましたが
HT-A9000 は+10dBまでとなっているのも違いとなります。
※設定値は±10で変更ありません(前機種は+6dBを10段階で分割)
ということで HT-A9000はサウンドバー単体でも
従来のサウンドバーより立体感のある音場を楽しめて
後からでも拡張が可能なところも特徴となるでしょうか。
立体音響を楽しむにはコンテンツの音声フォーマットも
「ドルビーアトモス」「DTS:X」や「360 Reality Audio」など
立体音響に対応している必要がありますが、
ソニーのアップミックス技術によって 2chのステレオ音源でも
(2chのステレオ音源はテレビ放送とかですね)
3次元の立体音響で楽しむことが可能となっていますよ。
アップミックス技術は AI技術を導入することで
人間の声を検出して よりクリアに聞こえるようにするなど
前機種の HT-A7000 より精度の高い立体音響化が楽しめます。
ちなみに 2chステレオ音源を立体音響にする場合は
付属リモコンか専用アプリで『SOUND FIELD』をオンにします。
HT-A9000 のスピーカー構成の進化点
前機種の HT-A7000と比較してスピーカー構成に
大きな違いがありますので御紹介したいと思います。
HT-A9000 | HT-A7000 | |
ユニット数 | 13基 | 11基 |
実用最大出力 合計値 |
585W(45W×13) | 500W(45.5W×11) |
センター部 | トゥイーター:22mm ウーファー 2基:45×90mm |
フルレンジ:46×54mm サブウーファー 2基:51×97mm |
フロント部 | トゥイーター 2基:10mm ウーファー 2基:45×90mm |
フルレンジ 4基:46×54mm |
イネーブルド スピーカー |
フルレンジ 2基:46×54mm | |
ビームトゥイーター | トゥイーター 2基:16mm | |
サイドスピーカー | フルレンジ 2基:46×54mm | 非搭載 |
低音増強 | パッシブラジエーター 4基 | バスレフレックス |
サイズ | 1300×64×113mm | 1300×80×142mm |
質量 | 5.5kg | 8.7kg |
といった構成になっています。
センターとフロントのスピーカーユニットは
前機種では合計5基のフルレンジのスピーカーユニットでしたが
HT-A9000 では高音域用のトゥイーターと中低音域用のウーファーを
組み合わせた 2Wayスピーカーを採用することによって
更にクリアな音質を実現となっています。
前機種はサブウーファー2基を搭載となっていましたが
HT-A9000 ではウーファー4基の搭載に変更となっているのと
更に4基のパッシブラジーエーターを新たに搭載することで
豊かな低音再生を実現となっています。
天井に音を反射させるイネーブルドスピーカーと
壁から音を反射させるビームトゥイーターに関しては
前機種の HT-A7000 と同等になっています。
以前は上方向からの音はスピーカーを天井に埋め込んで
対応をさせたりしていましたが HT-A9000 では
イネーブルドスピーカーにより天井方向に音を出して
天井からの反射で上方向からの音場を形成するので
複雑な工事などが必要無いのも大きな特徴のひとつです。
HT-A9000 ではサウンドバーの両端にサイドスピーカーを
新たに搭載することによって前機種と比べると
側面からフルレンジのサラウンド成分が追加されています。
これにより環境音などが追加されることによって
更に水平方向の音の広がりを体感して頂けるかと思います。
HT-A9000 は 2wayスピーカーによる繊細な音や
サイドスピーカーが追加されたことによってサウンドバー単体での
「360 Spatial Sound Mapping」対応を実現している訳ですね。
またスピーカー構成が変わったことにより本体の高さと奥行が
小さくなっているのも進化点のひとつになるでしょうか。
自動音場最適化機能を搭載
前機種と同様に自動音場最適化機能を搭載していて
天井と両側の壁までの距離を計測して音響特性を
自動で調整してくれるので難しい知識などが必要なく
簡単に視聴環境に合わせた音響を楽しむことが可能です。
別売のリアスピーカーを接続している場合は
リアスピーカーの距離も計測して2台のリアスピーカーの
距離や高さが異なっていても最適化をしてくれるので
自由なレイアウトが可能となっていますよ。
後はスマートフォンアプリ「BRAVIA Connect」を使うことで
視聴位置に合わせた音場最適化が可能なのも進化点となっています。
別売サブウーファーやブラビアでの拡張も可能
自分の好みや環境に合った低音・サラウンドサウンドに拡張できる
サブウーファー SA-SW5(実力最大出力 300W)と
SA-SW3(実力最大出力 200W)の2機種が別売で用意されているので、
もっと迫力のある低音が欲しいと思った場合は御検討下さいね。
またアコースティックセンターシンクという機能により
ソニーのテレビ BRAVIA(ブラビア)の対応モデルを
センタースピーカーとして駆動することができるので
定位感が向上し、より臨場感のある体験が可能となります。
(2021年以降の上位モデルが主に対応となっています)
様々な機器と連携して楽しめる
eARC/ARC対応のHDMI出力端子を搭載しているので
対応テレビとHDMIケーブル1本で簡単に接続が可能となっています。
テレビのHDMI端子が ARCのみ対応の場合はリニアPCM 5.1chや7.1ch、
「ドルビーアトモス」や「DTS:X」の伝送が出来ないので
eARCに対応しているかはチェックして頂いた方が良いかもしれませんね。
対応している場合はテレビ側のHDMI端子部に表記がありますよ。
(ソニーの場合は HDMI3 に搭載で2019年頃からeARCに対応)
上記は出力ですが HDMI入力端子も1系統搭載となっていて
8K HDR/4K 120/4K HDRパススルー対応となっているので
eARC非対応のテレビと接続する場合はこちら経由でOKです。
Blutooth機能を搭載しているのでスマホの音声なども
手軽に楽しむことが可能となっています。
高音質コーデック LDAC や AAC / SBC に対応となっています。
更に圧縮音源をAI技術で高音質化をしてくれる機能の
「DSEE Ultimate」を搭載となっていますよ。
ちなみに前機種は1世代前の「DSEE Extream」です。
また Wi-Fi と LAN端子を搭載となっていて
『Apple Airplay 2』、『Spotify Connect』の利用も可能です。
前機種では『Works with the Google アシスタント』、
『Amazon Alexa』』『Chromecast built-in』にも対応でしたが
HT-A9000 では非対応となっているのが少し残念ポイントでしょうか。
HT-A9000 と HT-A7000 の主な違い
商品の特徴として流れで御紹介をしてきましたが
気になる前機種 HT-A7000 との違いをピックアップして
簡単に御紹介したいと思います。
HT-A9000 の主な進化点としては
- サウンドバー単体で「360 Spatial Sound Mapping」に対応
- アップミックス機能の向上
- スピーカーの構成の変更
- センターとフロントの2way構成
- ウーファー4基、パッシブラジエーター4基構成
- サイドスピーカーの追加
- 高さと奥行の小型化
- 「DSEE Extream」から「DSEE Ultimate」に進化
- 別売リアスピーカーの出力調整範囲が+10dBまでにアップ
といったところになるでしょうか。
その他はリモコンが分かりやすくシンプルになったのと
スマートフォンアプリ「BRAVIA Connect」の対応ですね。
(Android / iOS 用があります)
「BRAVIA Connect」は「Home Entertaiment Connect」から
名称が変更となったもので(個人的には前のままでも・・・)
手順通りに進めて簡単に初期セットアップ等が出来たり
スマートフォンからリモコンと同様の操作ができるほか、
細かな設定やサポート関連の情報の確認が可能となります。
HT-A9000 と HT-A8000 の主な違い
前機種との違いも気になるところですが
同時発売の下位モデル HT-A8000 との違いも
気になるかと思いますので簡単に紹介しておきます。
HT-A9000 と HT-A8000 の主な違いは
- ビームトゥイーターが非搭載
- パッシブラジエーターが非搭載
- ベゼルが HT-A9000 アルミニウム/HT-A8000 プラスチック
- 幅が HT-A9000 より約20cm小さい(高さと奥行は同じ)
となっています。
HT-A8000 もサイドスピーカーは搭載しているので
横方向からの臨場感はしっかりとありますが
ビームトゥイーターが非搭載となっているので
高音域(空気感)が HT-A9000 より物足りなくなるでしょうか。
またパッシブラジエーターが非搭載なので
HT-A9000 と比べ重低音が少し弱くなります。
こう見ると単純に HT-A9000 が良く見えますが
そこに予算が関わってくると話が無茶苦茶難しくなります。
例えば20万円以下の予算で考えた場合(価格帯は発売時)
- HT-A9000 本体単体(19万円前後)
設置がサウンドバー本体だけ(リアに置けない場合等) - HT-A8000+リアスピーカー SA-RS3S(18万5千円前後)
HT-A9000 本体単体より後ろ方向からの音場が追加 - HT-A8000+サブウーファー SA-SW3(18万円前後)
本体単体より迫力の重低音が楽しめる
当然 HT-A9000 にリアスピーカーとサブウーファーを
追加するのが最強となるのですが
予算を20万円以下で縛るとこんな感じになります。
ちなみに自分がこの3択を選ぶなら SA-RS3S 追加ですね。
ただ一気に購入せずにしばらくHT-A9000 だけで頑張って
日が経ってからリアスピーカーを検討というのもあるので
じっくりと御検討下さい・・・
ソニーストアでは24回の分割払いが手数料0円なので
HT-A9000 と HT-A8000 で同じ構成にした場合は
月々約2,500円の差といったところでしょうか。
HT-A9000 のザックリまとめ
最近発売されたソニーの小型のワイヤレススピーカーが
フルレンジ構成から2way構成になって
びっくりするくらい音が良くなっていたのですが
大型・高出力ほど2way構成が有利な点もあり
更にサイドスピーカーで横方向の広がりもあるということで、
かなり良い方向に進化しているかと思います。
それでいて前機種の HT-A7000 の価格帯と比べると
プラス約2万円というのも十分に納得ができますよね。
前機種は発売初期はリアスピーカーが未発売で、
それまでは同時期に発売の HT-A9 が人気でしたが
発売から約8か月後にリアスピーカーが発売され
「360 Spatial Sound Mapping」に対応となることで
かなり追い上げたといった感じだったでしょうか。
今回は最初からオプションスピーカーが揃っているので
しっかりと御検討して頂けるかと思います。
予算が30万円以下の場合は同時発売の
ホームシアターシステム HT-A9M2 か
HT-A9000 + SA-RS5 で悩むかもしれませんね。
HT-A9M2 の方は4台のスピーカーで囲むので
左右の壁の状況が無視できるのがポイントでしょうか。
逆に HT-A9000 + SA-RS5 は左右に適当な壁があるなら
HT-A9M2 より約3万円くらいお手頃となります。
最近は高画質テレビが大型化をしていて
テレビの音響も従来より進化をしていますが
臨場感などはホームシアターシステムには遠く及ばないので
映画やゲームを迫力のある音声で楽しみたいという人に
オススメしたい商品となっていますよ。
ということで ソニーのフラッグシップサウンドバー
HT-A9000(BRAVIA Theatre Bar 9)を宜しくお願い致します。
HT-A9000 が期間限定で値下げ
HT-A9000 が2024年12月12日(木)~12月18日(水)までの期間限定で
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