ソニーのミラーレス一眼カメラ 『α7 V』 ILCE-7M5 の特徴や前機種との違い
ソニーからフルサイズミラーレス一眼カメラの
ベーシックモデル『α7 V』ILCE-7M5 が発売となりました。
前機種『α7 IV』ILCE-7M4 の後継機種となっていますが、
フラッグシップモデル『α1 II』の特徴や機能などを落とし込むことにより、
大幅な進化を遂げたモデルとなっています。
目次
- ミラーレス一眼カメラ 『α7 V』 ILCE-7M5 が発売
- 新開発の部分積層型CMOSイメージセンサー
- 新世代の画像処理エンジン「BIONZ XR2」
- 使い勝手の良い静止画撮影機能
- 軽量化を実現した新しいRAWファイルフォーマット
- リアルタイム認識AFによる高いAI認識性能
- 使い勝手の良いフォーカス設定が追加
- 中央7.5段、周辺6.5段の手ブレ補正効果
- 動画撮影機能が更に充実
- シネマティックな撮影等が手軽に楽しめる
- 本体デザインやモニターとファインダーの進化点
- バッテリーのスタミナが大幅に向上
- 『α7 V』 ILCE-7M5 と 『α7 IV』ILCE-7M4 の違い
- 『α7 V』 ILCE-7M5 のザックリまとめ
- 『α7 V』の販売価格と各種お知らせ
- ソニーストアで『α7 V』を お得に購入
ミラーレス一眼カメラ 『α7 V』 ILCE-7M5 が発売
ソニーからミラーレス一眼カメラ「αシリーズ」のベーシックモデルとなる、
『α7 V』 ILCE-7M5 が2025年12月19日(金)に発売となっています。
前機種の『α7 IV』 ILCE-7M4 の発売日が2021年12月17日(金)だったので、
約4年ぶりの後継機ということで大きく進化を遂げています。
高機能になりすぎて どこがベーシックなんだという感じですが、
『α7 V』の主な進化点をピックアップすると
- 部分積層型CMOSイメージセンサー
- AI内蔵の画像処理エンジン「BIONZ XR2」
- リアルタイム認識AF
- 最大16ストップのダイナミックレンジ
- AIによるオートホワイトバランスの向上
- 約30コマ/秒のブラックアウトフリー連写
- プリ撮影機能 & 連写速度ブースト機能
- コンポジットRAW撮影機能
- 動画撮影機能の充実
- 中央7.5段、周辺6.5段の手ブレ補正効果
- 4軸マルチアングル液晶モニター
- 各種項目に設定を追加
といったところになるでしょうか。
上記に挙げていない内容も多いのですが、
細かい話は各項目で御紹介したいと思います。
発表時(発表前も?)非常に注目度の高い商品となっていて、
受注直後に注文をしておかないと数ヵ月待ちになる可能性がありますね。
ということで『α7 V』の特徴を『α7 IV』との違いを
実機レビューと合わせて御紹介していきたいと思います。
少し時間が足りない為、記事の内容は暫定版といった感じなので、
後ほど追加や修正を予定しています。(大きくは変わりません)
新開発の部分積層型CMOSイメージセンサー
『α7 V』ILCE-7M5 は有効約3300万画素(動画時:2760万)の
イメージセンサーを搭載となっていますが、
新開発の『部分積層型CMOSイメージセンサー』を採用することで
前機種の『α7 IV』と比べて約4.5倍の高速読み出しを実現しています。
読み出しが高速化をすることで処理できる情報量が増えるので、
「最大16ストップ」のダイナッミックレンジを実現していたりしますよ。
(静止画撮影でメカシャッター使用時)
前機種の『α7 IV』は「最大15ストップ」となっているので
数値的には『1』の違いに見えますが、
階調の広さ(明るさの幅)でいうと約2倍になりますよ。
なのでシャドウから持ち上げても低ノイズとなっていて、
ハイライトでも白飛びを抑えることが出来ます。
前機種の『α7 IV』ILCE-7M4 も有効約3300万画素ですが、
従来の裏面照射型 Exmor R CMOSセンサーを採用しているということで、
最高約10コマ/秒のAF/AE追随連続撮影に対応となっています。
『α7 V』ILCE-7M5 はというと最高30コマ/秒(メカシャッター時)の
AF/AE追随連続撮影に対応となっていて、
更に連続撮影中に真っ黒な画面を表示しない「ブラックアウトフリー撮影」に
対応となっているのが部分積層型CMOSイメージセンサーならではとなっています。
常用ISO感度に関しては静止画時で最高51200(拡張204800)となっているので、
ここに関しては前機種の『α7 IV』ILCE-7M4 と同等となっています。
| 静止画時 | 有効画素数 | 型式 | ISO感度 |
| ILCE-7M5 | 約3300万画素 | 部分積層型 | 常用100-51200 拡張50-204800 |
| ILCE-7M4 | 裏面照射型 | ||
| ILCE-7M3 | 約2420万画素 | ||
| ILCE-1M2 | 約5010万画素 | 積層型 | 常用100-32000 拡張50-102400 |
新世代の画像処理エンジン「BIONZ XR2」
『α1 II』などの従来モデルは画像処理エンジン「BIONZ XR」と
AIプロセッシングユニットを搭載となっていましたが、
『α7 V』はAIプロセッシングユニットの性能を画像処理エンジン内に統合した
新世代の画像処理エンジン「BIONZ XR2」を搭載しています。
機能的には「BIONZ XR」と「AIプロセッシングユニット」の頃と
劇的に変わっている様子は有りませんが、
「BIONZ XR2」は低消費電力化を実現することで
スタミナ性能が大幅に向上しています。
液晶モニター使用時の静止画撮影で『α7 V』は約750枚、
『α7 IV』は約580枚となっていますよ。 (CIPA規格準拠)
従来モデルは AIプロセッシングユニットを搭載すると、
前機種(非搭載)と比べるとスタミナが落ちていたりしていたので、
「BIONZ XR2」の電力効率の良さが伺えますね。
オートホワイトバランスの精度が向上
部分積層型フルサイズCMOSイメージセンサーと「BIONZ XR2」により、
光源の色を推定する処理にAIディープラーニング技術を採用することで
オートホワイトバランス(AWB)の精度が向上しています。
従来は光源と被写体を元にAWBの演算を実行していたので
有彩色や暗所での光源推定が難しかったのですが、
そこに画像データベースと光源データベースを用意することで、
より正確な光源推定が可能になったという訳ですね。
これにより前機種の『α7 IV』ILCE-7M4 では難しかったシーンでも、
より正確で安定したオートホワイトバランス(AWB)を実現してくれます。
使い勝手の良い静止画撮影機能
『α7 V』ILCE-7M5 は静止画撮影時に使い勝手の良い機能を新たに搭載していて、
最大約30コマ/秒(電子シャッター)の「ブラックアウトフリー」連続撮影や
シャッターを切る前の瞬間をさかのぼれる「プリ撮影」など、
フラッグシップモデル『α1 II』で搭載されていた機能が追加されていたりします。
ブラックアウトフリー撮影
従来のモデルでは静止画撮影時にシャッターを切ると
一瞬黒い画面が入りますが それがブラックアウトと呼ばれています。
一枚撮りでは そこまで気にならないかもしれませんが
連続撮影時も1枚毎にブラックアウトするので、
動きの速い被写体を追いかける時に追いにくかったりすると思います。
『α7 V』ILCE-7M5 では そのブラックアウトが発生しない
毎秒60回の高速AF/AE演算を実現する最大約30コマ/秒の連続撮影が可能なので、
連続撮影時でも被写体を追随しやすいというのが大きな特徴となります。
尚、ブラックアウトフリーはモニターやファインダーが見えるだけでなく、
イメージセンサーもブラックアウトフリーになっていますよ。
(他社製ではイメージセンサーはブラックアウトするものもあるようですが)
なので『α7C II』ILCE-7CM2 は『α7 V』に近いAF性能がありますが、
連続撮影時はブラックアウトを起こすためAFが途切れることになるので、
連続撮影時(ブラックアウトフリー活用時)のAF性能に限れば
『α7 V』ILCE-7M5 の方が有利となります。
| 電子シャッター | メカシャッター | 動画撮影時 | |
| ILCE-7M5 | 1/16000 – 30 秒 最高約30コマ/秒 |
1/8000 – 30 秒 最高約10コマ/秒 |
1/8000 – 1 秒 |
| ILCE-7M4 | 1/8000 – 30 秒 最高約10コマ/秒 |
1/8000 – 1/4 秒 | |
| ILCE-7M3 | |||
| ILCE-1M2 | 1/32000 – 30 秒 最高約30コマ/秒 |
1/8000 – 1 秒 |
『α1 II』のブラックアウトフリー連続撮影と同じかと言われれば
『α7 V』はアンチディストーションシャッターは非対応なので、
ゴルフやテニスなどの動体歪みが発生しやすいスポーツなどの撮影では
『α1 II』とは違いが出てくる部分になっています。
とはいうものの前機種や従来モデルと比べれば
電子シャッター時の歪みを小さく出来るのは間違いないですね。
また電子シャッター音の音量調整が5段階まで選択が可能となり、
前機種の『α7 IV』より大きな音の設定が可能となっています。
プリ撮影機能で決定的瞬間を逃さない
シャッターを切る直前を最高1秒まで遡って記録する
新機能の「プリ撮影機能」を搭載となっています。(前機種は非搭載)
最高約30コマ/秒でのAF/AE追随の撮影に対応していますよ。
プリ撮影機能はシャッターを半押ししている間は
設定した時間分(最長1秒分)をキャッシュし続けて、
シャッターを切った時点から設定した時間分(最長1秒分)の
キャッシュを含めて記録を行うという機能となっています。
『α7 V』ILCE-7M5 のプリ撮影機能はRAW撮影にも対応していて、
0.03秒から最大1秒前まで細かく設定が可能となっています。
(1秒~0.1秒は0.1秒刻み/0.09秒から0.03秒までは0.01秒刻み)
これって無茶苦茶良い機能ですよね。
シャッタータイミングが予測できない被写体の撮影の場合は、
それっぽい動作が来そうだと思ったらシャッターを切りますが、
プリ撮影機能なら「来た!」と思った瞬間にシャッターを切っても
ベストショットを撮ることが出来たりするかと思います。
(最高1秒なので、ある程度反射神経は必要ですが)
例えば鳥が飛び立つ瞬間を撮るのは結構難しいと思いますが、
プリ撮影機能を利用することで少し余裕が出来たりしますよね。
ブースト撮影機能を搭載
新機能として「ブースト撮影機能」を搭載しています。(前機種は非搭載)
『α1 II』ではデフォルトで『C5』ボタンに設定されていますが、
『α7 V』は『C5』ボタンが非搭載なのでカスタムボタンのどこかに
「押す間連写速度ブースト」設定することで利用が可能となります。
でもって「押す間連写速度ブースト」を設定したカスタムボタンと
シャッターボタンが同時に押された時にだけ連写速度を上げる機能となっています。
例えばシャッターボタンでの連写速度が15コマ/秒の時に
- シャッターボタンのみ押す=15コマ/秒
- シャッターボタンとブースト撮影機能設定ボタンを押す=30コマ/秒
- ブースト撮影機能設定ボタンだけを押す=何も起こらない
といった感じに使用することが出来ます。
ブースト撮影機能設定ボタンは先押しでも後押しでもOKで、
シャッターボタンで15コマ/秒の撮影中にブースト撮影機能設定ボタンを
後から押すと押している間だけ30コマ/秒になり、
ブースト撮影機能設定ボタンを離した瞬間に15コマ/秒に戻ります。
(15コマ/秒での連写中に30コマ/秒を割り込ませるみたいな)
ドライブモードで切り替えることなく連写速度の使い分けが出来るので、
撮影シーンに応じて便利に使って頂けるかと思います。
2種類のコンポジットRAW撮影
2種類のコンポジットRAW撮影に対応ということで、
ひとつめは『α1 II』でも搭載している「ノイズ低減用撮影設定」となっています。
「ノイズ低減用撮影設定」は一度の撮影で4枚から16枚のRAW画像を撮影して
(『α1 II』は4枚から32枚まで)、
パソコン上で「Imaging Edge Desktop」を使用して合成することで
1枚の低ノイズな画像を生成する機能となっています。
(JPEG、TIFF、RAW形式で出力可能)
従来の「マルチショットNR」の発展版みたいな感じの機能となっていて、
特に暗所での撮影時に威力を発揮してくれますね。
「ノイズ低減用撮影」は手持ちでの撮影でも利用して頂けます。
※シャッタースピードを1/30秒未満やフラッシュの使用、
プリ撮影やブースト撮影などの機能は制限されます。
もうひとつは「HDR用撮影設定」で『α7 V』が初搭載となる機能です。
「HDR用撮影設定」も一度の撮影で4枚から16枚のRAW画像を撮影して
パソコン上で「Imaging Edge Desktop」を使用して合成することで
1枚のハイダイナミックレンジな画像を生成する機能となっています。
ハイダイナミックレンジな画像って何ぞや?というと
白飛びや黒つぶれを低減した画像といった感じですね。
こちらも手持ちでの撮影でも利用して頂けます。
尚、『α1 II』で搭載の「ピクセルシフトマルチ撮影」は搭載していません。
エクステンデッドRAW処理
『α7 V』で撮影されたRAWデータはPCソフト「Imaging Edge Desktop」に
新たに搭載された「エクステンデッドRAW処理」機能に対応となっていて、
「エクステンデッドNR」と「エクステンデッドHi-Res」の2つのモードが利用できます。
「エクステンデッドNR」は解像感を保ちながらノイズを大幅に低減が可能で、
「エクステンデッドHi-Res」は通常のノイズを抑えつつも
約4倍の画素情報(1億3090万画素)に拡張することが可能です。
「エクステンデッドNR」と「エクステンデッドHi-Res」のような機能は
他のソフトで行っていた人も居られると思いますが、
無料の「Imaging Edge Desktop」で行えるようになるのは嬉しいですよね。
軽量化を実現した新しいRAWファイルフォーマット
軽量化を実現した新しいRAWファイルフォーマットということで、
RAWの記録形式が変更となっていて分かりやすくもなっているでしょうか。
従来の「非圧縮」と「ロスレス圧縮(L)」が「ロスレス圧縮」にまとめられ、
「ロスレス圧縮(M)」「ロスレス圧縮(S)」が「圧縮(画質優先)」となっています。
| ILCE-7M5 | ILCE-7M4 |
| ロスレス圧縮 | 非圧縮 ロスレス圧縮(L) |
| 圧縮(画質優先) | ロスレス圧縮(M) ロスレス圧縮(S) |
| 圧縮RAW | |
「非圧縮」が無くなったと思われるかもしれませんが、
「ロスレス圧縮」の画質は「非圧縮」と同等なので問題ありませんよ。
ちなみに同じように撮影したシーンで
『α7 IV』の「非圧縮」と「ロスレス圧縮(L)」がファイルサイズ66MB前後だったところ、
『α7 V』の「ロスレス圧縮」では約40MBとなっていました。
(撮影するシーンなどでファイルサイズは異なりますので1例として)
公式ページに記載されている仕様では連続撮影可能枚数が
『α7 V』ILCE-7M5 はロスレス圧縮RAW:35枚
『α7 IV』ILCE-7M4 はロスレス圧縮RAW:1000枚以上
となっていますが『α7 V』は「30fps」時の記載となっているので、
「10fps」の場合は『α7 IV』と同様に1000枚以上となっていますよ。
| ILCE-7M5 (30fps時) |
ロスレス圧縮RAW:35枚 圧縮RAW:95枚 圧縮RAW+JPEG:85枚 JPEG:185枚 |
| ILCE-7M5 ILCE-7M4 (10fps時) |
ロスレス圧縮RAW:1000枚以上 圧縮RAW:1000枚以上 圧縮RAW+JPEG:1000枚以上 JPEG:1000枚以上 |
また従来モデルの「圧縮RAW」での連写時は 「12bit RAW記録」になっていましたが、
『α7 V』では30コマ/秒の連写時でも「14bit RAW記録」に対応しています。
リアルタイム認識AFによる高いAI認識性能
『α7 V』は AIプロセッシングユニットの性能を画像処理エンジン内に統合した
新世代の画像処理エンジン「BIONZ XR2」を搭載しているということで、
従来の「AIプロセッシングユニット」搭載モデルと同様に
「リアルタイム認識AF」に対応となっているのも非常に大きな特徴です。
従来の人、動物、鳥の認識精度がパワーアップしている他、
新たに昆虫、車、列車、飛行機に対応となっていますよ。
人物のリアルタイム認識AF
『α7 V』 ILCE-7M5 では人物の姿勢を認識することが出来るので、
この辺りに瞳があるという前提で認識を行うため瞳の認識精度も高くなっています。
なので前機種と比べるとサングラスや帽子等を装着していても
瞳付近をしっかり追ってくれるような感じになっています。
動物・鳥・昆虫のリアルタイム認識AF
前機種でも動物の瞳AFに対応となっていましたが、
『α7 V』 ILCE-7M5 では更に頭や体の認識が加わったのと
(『瞳』・『瞳/頭』・『瞳/頭/体』と部位設定が可能です)、
従来は犬や猫をメインとした認識するものとなっていましたが、
一部の草食動物や小動物なども認識するようになっています。
今までは被写体の動物が背中を向いたりすると
AFが迷ったりしていましたが その辺りも改善されていますね。
鳥についても前機種では瞳AFに対応(静止画のみ)となっていましたが、
『α7 V』 ILCE-7M5 では認識できる鳥の種類が増えていたり
頭や体の認識に対応となっています。
野鳥の撮影なんかで木々の間にいる鳥を撮ろうとすると
枝や葉っぱなどにAFが奪われたりすると思いますが、
そういった場合でも被写体認識を利用することで
今までと比べスムーズにピントを合わせやすくなるかと思います。
昆虫の認識にも対応となっていてトンボや蝶々をはじめ、
撮影したくなるような昆虫は結構幅広く認識してくれるかと思います。
昆虫に関しては瞳AFはないのですが体全体はもちろん、
先頭部や頭部付近を狙うことができるので
結果として瞳付近を撮影することも可能だと思います。
車・列車・飛行機のリアルタイム認識AF
車、列車、飛行機の認識が可能となっています。
それぞれ先頭部付近や全体を認識して追ってくれますよ。
ちなみに車と列車は一括りの設定になっているのと
飛行機はヘリコプターも認識してくれるそうです。
こちらに関しても街中などで他の物体や障害物に
囲まれているようなシーンでも認識設定をしておけば、
被写体を優先して追ってくれるので一手間減ったり
ストレスのない撮影が可能になるかと思います。
突発的なシーンでも初動が早くなるので、
一歩先のシャッターチャンスをモノにできるかと思います。
リアルタイム認識AFのオート
『α1 II』と同様に「AUTO(オート)」設定も可能となっています。
従来では「人」「動物」「鳥」「虫」「車/電車」「飛行機」に分かれていますが、
「AUTO(オート)」で認識する対象を選択することで切り替えることなく
被写体を認識することが可能となっています。
例えば「AUTO(オート)」に「鳥」「虫」を設定することで、
不意に遭遇した時にでも瞬時に対応が可能となります。
ただし内部処理的にはワンアクション追加されるので、
単体で設定する方が精度は高くなりますよ。
リアルタイム認識AFの優位点
普段撮影されている人は『普通に追えるけど?』
といった感じに思われるかもしれませんが、
フォーカスエリアを設定していたり経験で追えているというのもあるかと思います。
『目標をセンターに入れてスイッチ』といけば良いのですが
目的の被写体付近や前方に別の目立つ物体があると、
そちらにAFが奪われてしまうことも多々ありますよね。
撮影する時間があればフォーカスをしなおせば良いのですが
咄嗟の撮影&すぐに被写体が行ってしまう場合は、
せっかくのシャッターチャンスを逃す可能性があります。
そんな場面でもリアルタイム認識AFで設定をすることで、
目的の被写体に瞬時にピントを合わせやすくなるのは
結構大きなアドバンテージになるのではないでしょうか。
とういうことで瞬時のフォーカスが必要な場面や、
目的の被写体が様々な物体に囲まれている場面での
撮影が多い人にはオススメの機能になるかと思います。
従来ではフォーカス合わせに一手間必要だったシーンでも
手軽になったりするので構図の自由度も上がるかと思います。
ちなみに被写体認識AFを設定しない場合でも
物体認識アルゴリズムにより高精度なAFが利用できるのと、
リアルタイムトラッキングの精度も前機種より高くなっています。
使い勝手の良いフォーカス設定が追加
前機種『α7 IV』と同様に像面位相差AFの測距点は759点となっていて、
撮像エリアの約94%をカバーしています。
AF検出輝度範囲の低照度下限(AF-S時)も
前機種の『α7 IV』と同様に「EV-4.0」となっていますが、
AIにより『α7 V』のほうが精度は向上していますよ。
前機種では無かった機能としては被写体の速度変化に応じて、
AF追従の設定を「安定」「標準」「敏感」の3段階から選べるようになりました。
飛び立つ鳥など瞬時に移動速度が大きく変化する被写体の場合は、
「敏感」を選ぶなど状況に応じて変更することが出来るようになっています。
横切りへのAF特性も「1(粘る)」「2」「3(標準)」「4」「5(敏感)」の5段階から
選ぶことが可能となっています。
従来モデルでは動画撮影時の「AFトラジション速度」と「AF乗り移り感度」を
設定することが出来ましたが、新たに静止画用のものが搭載されたという形ですね。
また前機種ではフォーカスエリアの「スポット」は
「L」「M」「S」の3サイズからの選択となっていましたが、
『α7 V』ILCE-7M5 では「XL」と「XS」が追加されて5つとなっているのと、
フォーカスエリアの縦横比を自由に変更することが出来る
「カスタムフォーカスエリア」が新たに追加されています。
中央7.5段、周辺6.5段の手ブレ補正効果
『α7 V』ILCE-7M5 の光学式5軸ボディ内手ブレ補正に関しては
「中央7.5段、周辺6.5段」の補正効果を実現となっています。
なんか従来の表記が異なるなと思われるかもしれませんが、
従来は「CIPA規格準拠」の表記で「Pitch/Yaw(垂直方向/水平方向)」の
補正効果での段数評価となっていたところ、
今回から「CIPA2024規格準拠」の表記で「Pitch/Yaw(垂直方向/水平方向)」に
「Roll(回転)」を加えた補正効果での段数評価となっています。
「Roll(回転)」が加わったことで中央と周辺で数値が大きく変わるので、
中央と周辺の両方の段数が表記されるようになったという感じですね。
なので従来の段数は中央部だけが表記されているといったイメージが近いでしょうか。
手ブレ補正と言えば動画撮影時でも影響が大きいのですが、
『α7 V』 ILCE-7M5 は「手ブレ補正アクティブモード」を
搭載しているので動画撮影時の手ブレを強力に抑えることが可能です。
※アクティブモードでは撮影画角が少し狭くなります。
また「アクティブモード」よりも手ブレ補正の効果を30%以上向上する
「ダイナミックアクティブモード」を新たに搭載することで、
手持ち撮影を より多様な状況で活用できます。
※アクティブモードより更に画角が狭くなります。
ちなみにアクティブモードは光学式の手ブレ補正で
ダイナミックアクティブモードは光学式+電子式となります。
また、対応する手ブレ補正機構内蔵レンズと組み合わせて
カメラ本体とレンズが協調して手ブレ補正を行い
通常より大きなブレを補正することが可能な「レンズ協調制御」に対応です。
協調制御対応レンズは公式サイトで御確認下さい。
| ILCE-1M2 | 中央8.5段、周辺7.0段 レンズ協調制御対応 アクティブモード対応 ダイナミックアクティブモード対応 |
| ILCE-7M5 | 中央7.5段、周辺6.5段 レンズ協調制御対応 アクティブモード対応 ダイナミックアクティブモード対応 |
| ILCE-7M4 | 5.5段 アクティブモード対応 |
| ILCE-7M3 | 5.0段 |
動画撮影機能が更に充実
『α7 V』 ILCE-7M5 は画素加算のない全画素読み出し 7Kオーバーサンプリングでの
「4K 60p」(フルサイズ)動画記録に対応となっています。
前機種の『α7 IV』で 7Kオーバーサンプリングの4K動画記録をしようとすると
「4K 30p」(フルサイズ)までとなっていたので大きな進化点の一つとなっています。
また『α7 V』 ILCE-7M5 は「4K 120p」(Super 35mm)、
「FHD 240p」(フルサイズ)の動画記録に対応となっていて
「S&Qモード」での「4K 120p」による5倍スローモーションと
「FHD 240p」による10倍スローモーションが可能となっています。
『α7 V』は新たに「4K動画画角優先(入/切)」の設定が追加となっていて、
4K動画記録時のクロップの有無が設定可能となっています。
「入」の場合はクロップ無しとなりますが少し感度が下がり、
「切」の場合はクロップ有りで感度が上がるといった感じになっています。
なので明るいシーンの撮影では「入」でも大丈夫なのですが、
高感度が必要なシーンでは「切」を選択するといった使い方になるかと思います。
| ILCE-7M5 | 4K 120p(Super 35mm) 4K 60p(フルサイズ) FHD 240p(フルサイズ) |
| ILCE-7M4 | 4K 60p(Super 35mm) 4K 30p(フルサイズ) FHD 120p(フルサイズ) |
4Kでの「XAVC HS方式」や「4:2:2 10bit」の記録に対応で、
「All-Intra」の記録にも対応となっています。
こちらは前機種の『α7 IV』でも同様なところですね。
前機種と同様に動画撮影中のフォーカスブリージングを低減する
ブリージング補正機能(対応レンズでのみ使用可能)を搭載となっているのと、
AFでの撮影中にシームレスにMF操作に切り換え出来る「AFアシスト機能」や
被写界深度を可視化する「フォーカスマップ機能」を搭載となっています。
尚、「フォーカスマップ機能」のマッピング解像度は前機種の2倍になっています。
先程も言いましたが動画撮影時の手ブレ補正ダイナミックアクティブモードに
対応となっているのも大きな特徴と言えます。
あとは動画撮影時も認識性能の強化で大幅に進化した
「リアルタイム認識AF」や「リアルタイムトラッキング」が使用できるので、
構図に集中して撮影することが出来るかと思います。
フレーミング補正機能を搭載
「ダイナミックアクティブモード」を使用時のみ有効となる機能ですが、
被写体と並走して撮影するようなシーンで被写体が構図内の
同じ位置(高さ)に保たれるように自動で構図の補正を行う
「フレーミング補正」を新たに搭載しています。(前機種は非搭載)
ダイナミックアクティブモードから更にクロップを行うので画角は狭くなります。
オートフレーミング機能を搭載
カメラが被写体を認識してクロップ(画面の切り出し)する
「オートフレーミング機能」を新たに搭載しています。(前機種は非搭載)
4K解像度の画像からクロップを行うため画角は狭くなります。
オートフレーミングは固定撮影向けの機能となっていて
被写体がフレーム内に保持されるように動作します。
固定撮影向けというのはオートフレーミングを ON にすると
手ブレ補正が自動的に OFF に切り替わるからですね。
被写体を追随するカメラワークには技術が必要ですが
オートフレーミングを利用することでクロップはされますが、
カメラマンがカメラワークを行っているかのような
動画が手軽に撮影できるのでワンオペ時にもオススメです。
進化した放熱構造による長時間録画
『α7 V』で搭載されている「BIONZ XR2」は低消費電力化となっていることや、
放熱構造として前機種の『α7 IV』ではイメージセンサーの2箇所に採用していた
Σ(シグマ)形状の黒鉛構造体を『α7 V』では4箇所に増設することで、
効率的に熱が放出できるようになり連続動画撮影時間が伸びています。
『XAVC S 4K 60p 150M 4:2:0 8bit』の条件時で
ILCE-7M5:室温25度 約90分/室温40度 約60分
ILCE-7M4:室温25度 約90分/室温40度 約10分
ということで室温40度の条件での連続撮影時間が大幅に伸びています。
室温25度では同じとなっていますが本体にかかる負荷は違いますよね。
カメラ内での音声ノイズ低減機能
『α7 V』は、ソニーの αシリーズで初となるカメラ内での
音声ノイズ低減機能が搭載となっています。
これにより内蔵マイクでもノイズの低減が可能となっています。
もちろん外部マイク(マイク端子/MIシュー)にも対応していますよ。
音声ノイズ低減機能には「風音低減」と「ノイズカット」の設定が用意されていて、
内蔵マイク使用時はパワーズームレンズから発生するノイズも低減が可能です。
また従来機と同様にMIシューにデジタルオーディオインターフェースを搭載し、
別売のマイクを使用して音声をデジタル信号で劣化のない高音質で録音可能です。
「XLR-K3M」などと組み合わせてデジタル4chや24bitの音声収録も可能です。
『α7 V』で進化した動画系の機能は
- リアルタイム認識AFによるAFの強化
- 4K 120pの撮影に対応
- 4K動画画角優先の設定が追加
- ダイナミックアクティブモードを搭載
- フレーミング補正機能を搭載
- オートフレーミング機能を搭載
- 進化した放熱構造による時間録画
- カメラ内での音声ノイズ低減機能
- PPLUT / LUTモニター機能を搭載
といったところになるでしょうか。
シネマティックな撮影等が手軽に楽しめる
『α7 V』 ILCE-7M5 はグレーディングが不要な撮影方法が
新たに追加されているので状況に応じての選択肢が増えています。
「グレーディング」とは撮影後に映像の階調と色調を
整える画像加工処理のこととなっています。
ちなみに階調と色調を整える画像処理については
ドラマや映画の映像は少し色彩が落ちていたり
青みがかかったような映像になっていたりして、
普段 目で見ているのと違った印象を持つかと思います。
逆にドキュメンタリーやバラエティ、ニュースなどの映像は、
普段 自分の目で見ている映像に近いですよね。
従来は S-Log3などのLog撮影を行うことで
階調や色調を適応していない状態の映像を記録し(原版的な)、
後からLUTを適応してグレーディングを行っていたかと思います。
(専門用語的にはLUTをベイクするって表現ですね)
『α7 V』 ILCE-7M5 はグレーディングが不要な撮影方法として
- クリエィティブルック:12種類から選んで微調整も可能
- S-Cinetone:映画のような印象のルック
- HLG:『4:2:2 10bit』記録対応
- PPLUT:ユーザーLUTをピクチャーファイルとして使用可能
を搭載となっていてグレーディングが不要ということで、
グレーディングを行う手間や時間を節約することができます。
上記の中では「PPLUT」が前機種では非対応となっていました。
ただし階調や色調を適応した状態で記録がされるので、
後から階調や色調を変更したい時には更なる手間がかかったり
クオリティーが下がるのが短所となります。
なので記録した映像が最終の仕上がりとすることが前提ですね。
全然違うのですがイメージ的に言えば
Log撮影は静止画で言えばRAWでの記録みたいなもので、
情報量が多いのでJPEGで撮影したものを後から編集するより
クオリティーが高い編集が可能といった感じでしょうか。
原版が残るので後から納得のいく調整が可能となります。
クリエィティブルック
静止画と動画を撮影時に自分好みの映像表現が可能な
「クリエイティブルック」に対応となっていて
全12種類からお好みのモードが選択可能です。
(前機種と比べて「FL2」と「FL3」が追加されています)
- ST:被写体シーンに幅広く対応する標準の仕上がり
- PT:肌をより柔らかに再現。 人物の撮影に最適
- NT:彩度 シャープネスが低くなり、 落ち着いた雰囲気に表現
- VV:彩度とコントラストが高めになり、より印象的に表現
- VV2:明るく色鮮やかな発色で、明瞭度の高い画像に
- FL:メリハリのあるコントラストを加えることで雰囲気をアップ
- FL2:コントラストがやや高く、落ち着いた発色
- FL3:コントラストをやや抑えつつ、クリアな発色
- IN:コントラストと彩度を抑えたマットな質感に
- SH:透明感柔らかさ・鮮やかさを持つ明るい雰囲気の仕上がりに
- BW:白黒のモノトーンで表現
- SE:セピア色のモノトーンで表現
更に各々コントラスト、ハイライト、シャドウ
フェード、再度、シャーップネス、明瞭度などが
10~19段階で調整することが可能となっています。
といった感じで後からではなく撮影時に
自分好みの色味や雰囲気を作りこむことが可能です。
特に後から編集するのは面倒なのでしないよって人に
オススメの機能になっているでしょうか。
S-Cinetone:映画のような印象のルック
ソニーの業務用カメラから作られたルックとなっていて
人の肌の色を美しく見せるスキントーンとなっています。
映画っぽい表現がしたい時に手軽&参考になるかと思います。
4:2:2 10bit記録のHLG(Hybrid Log-Gamma)
撮影した映像をHDR(HLG)対応テレビでHDMI接続し再生することで
カラーグレーディングをせずに黒つぶれと白とびを抑えた
肉眼に近いリアリティーのある映像が楽しめます。
自由度が高くてお手軽な PPLUT
ユーザーLUTをピクチャーファイルとして使用可能な
「PPLUT」対応が非常に便利となっています。
LUT(.cube)は大手のメーカーや企業で配布されていたり、
個人でも作成することが可能となっていて
数えきれない程の種類が世の中に出回っています。
いままではカメラでLog撮影した記録データを
パソコンなどで編集をしてLUTを適応していたのですが、
『α7 V』 ILCE-7M5 はカメラ内にLUTをインポートをして
LUTを適応した状態で映像を記録することが可能となっています。
(最大16個を記録して4個までピクチャープロファイルに登録可能)
これにより後から編集する時間や手間を省略できるので
非常に便利な機能になっているかと思います。
ただし先程も言っていましたが記録したデータは
LUTが適応された状態になるので後から
階調や色調を編集することは困難となります。
なので、そのLUTを絶対に適応するという状況での使用に限られてくるでしょうか。
プロや複数人でのチームで撮影するような状況では
原版的なLogでの記録映像を残しておきたいと思うので、
どちらかといえば初心者や入門者向けの機能になるかと思います。
逆に作成慣れした個人のプロになれば使い分けできそうですね。
プロにもオススメの LUTモニタリング機能
Log撮影時の映像はコントラストが低く色も薄いので
(データとしては保持しているが表示できないだけ)
撮影環境の調整や仕上がりのイメージが困難となっていました。
そんな中『α7 V』 ILCE-7M5 ではカメラにインポートしたLUTを
モニター上でのみ適応して表示することが可能となる
「LUTモニタリング機能」が搭載となっています。
こちらも前機種では非搭載の機能となっていますよ。
最終仕上がりをイメージしながらの撮影環境の調整や
仕上がりに近い状態での確認が可能となるので、
非常に使い勝手の良い機能になっているかと思います。
カメラからのHDMI出力にも反映することが可能ですよ。
ONとOFFが可能でモニター上でのみの適応となるので
記録する映像はLUTを適応していないLogでの記録となります。
尚、前機種で対応だった S-Log2 は非対応となっています。
本体デザインやモニターとファインダーの進化点
本体のデザインとしては前機種『α7 IV』とくらべると、
幅とが数mm大きくなり質量は約37g増加となっています。
この辺りの違いは4軸マルチアングル液晶モニターの搭載によるものでしょうか。
『α7 V』 ILCE-7M5 の各種ボタンやダイヤルの配置や内容は、
特に前機種『α7 IV』 ILCE-7M4 からの変更はありません。
『α7 V』と前機種『α7 IV』のデザインに関する変更点としては、
グリップ部分の形状がホールド性を高めた形状になっています。
実際に握り比べてみると『α7 V』の方がガッチリとした感じで、
前機種『α7 IV』の方は柔らかい当たりになっているかと思います。
個人的には前機種の方が好みなのですが ここは人によるところですね。
あとは正面の「α7シリーズ」のロゴの周囲のへこみが無くなり、
AF補助光発光部の横の余分な部分がなくなったのと、
マウント部のリングのシナバーオレンジの部分が太くなっています。
ちなみに『α1 II』ではシナバーオレンジの部分を目立たなく変更していたので
(『α1 II』はプロ向けということで特別感より出しゃばらないように変更)、
真逆の変更となっていますね。
といったところでデザイン的には前機種『α7 IV』とほぼ同じなので、
こっそり買い替えても分からないかと思いますよ。
| ILCE-7M5 | ILCE-7M4 | |
| 外形寸法 | 幅 130.3mm 高さ 96.4mm 奥行 82.4mm (72.3mm) |
幅 131.3mm 高さ 96.4mm 奥行 79.8mm (69.7mm) |
| 質量 | 約610g(本体) 約695g(撮影時) |
約573g(本体) 約658g(撮影時) |
液晶モニターの違い
『α7 V』 ILCE-7M5 は3.2型 約209万ドットということで
前機種『α7 IV』(3.0型 約103万ドット)と比べて大きさや解像度が向上していますが、
使い勝手と言う点では『α1 II』 ILCE-1M2 の同様に
4軸マルチアングル形式の搭載が大きいでしょうか。
| ILCE-7M5 | ILCE-7M4 | |
| 液晶 | 3.2型 約209万ドット |
3.0型 約103万ドット |
| モニター | 4軸マルチアングル | チルト式 |
| 横開き | 約180度 | 非対応 |
| 横開き時の 上下回転 |
約270度 | 非対応 |
| 背面位置 | 上方向 約98度 下方向 約40度 |
上方向 約107度 下方向 約41度 |
ということで『α7 V』 ILCE-7M5 は4軸マルチアングルにより
バリアングル+従来のチルト式の性質を持っています。
前機種『α7 IV』ではハイアングルやローアングルの撮影時に
モニターを左側に移動させてから上下に回転をさせる必要があったので、
レンズの正面からモニターが大きく横にズレてしまいましたが
(個人的にはこれに馴染めなかったの あまり好きでは無かった)、
『α7 V』ならレンズの軸線所で上下にチルトできるのが良いですよね。
あとはモニターに表示する内容を静止画と動画撮影時で別々に設定が可能となり、
更に表示内容のカスタマイズも可能となっているので従来モデルではできなかった
「ヒストグラム」と「水準器」の同時表示なども可能となっていますよ。
また従来の「モニター消灯」と「パワーセーブ」に加えて
「モニター低照度」が追加となっています。
「モニター消灯」と「パワーセーブ」はバックライトがOFFになり
被写体認識がリセットされ復帰速度も少し遅くなっていたのですが、
「モニター低照度」はバックライトを低輝度にし被写体認識も継続され、
復帰速度も高速となっているので使い勝手が良いかと思います。
電子ビューファインダー
前機種『α7 IV』 ILCE-7M4 と同等の約368万ドットの
「Quad-VGA OLED 電子ファインダー」を搭載となっています。
倍率 0.78倍でアイポイントは最終光学面から約23mm、接眼枠から約18.5mmで、
表示フレームレートは「60fps」と「120fps」を選択することが可能です。
ファインダー自体の仕様は前機種と同等となっていますが、
新たにファインダーに表示する内容のカスタマイズが可能となっています。
ファインダーにのみ表示するフッターの内容も自由に選ぶことが可能ですよ。
バッテリーのスタミナが大幅に向上
『α7 V』 ILCE-7M5 はフルサイズモデルでお馴染みの
高容量バッテリー「NP-FZ100」を採用となっていますが、
「BIONZ XR2」の省エネ設計などにより大幅にスタミナが向上しています。
| ILCE-7M5 | ILCE-7M4 | ILCE-1M2 | |
| 静止画撮影 ファインダー |
630枚 | 520枚 | 420枚 |
| 静止画撮影 液晶モニター |
750枚 | 580枚 | 520枚 |
| 実動画撮影 ファインダー |
約130分 | 約100分 | 約85分 |
| 実動画撮影 液晶モニター |
約135分 | 約110分 | 約90分 |
『α7 V』 ILCE-7M5 の USB Type-C端子は「USB Power Delivery対応」で、
本体充電でも約175分でフル充電が可能となっているので
十分に実用して頂けるレベルになっているかと思います。
※推奨アダプターは9V/3A出力(27W以上)のもの
前機種『α7 IV』ではACアダプターが付属となっていましたが
『α7 V』 ILCE-7M5 には付属していないので、
推奨されるUSB ACアダプターや別売のバッテリーチャージャーなどを御用意下さい。
チャージャー「BC-ZD1」とバッテリー「NP-FZ100」をセットにした
アクセサリーキット「ACC-ZD1K」なんかもオススメですよ。
あと前機種『α7 IV』で搭載していた「マルチ/マイクロUSB端子(USB2.0)」が
『α7 V』では「USB Type-C端子(USB2.0・USB PD対応)」に変更となっています。
ということで『α7 V』は「USB Type-C端子」を2個搭載となっていますが、
上側が「USB 3.2 Gen2(10Gbps)」で下側が「USB2.0(480Mbps)」なので、
高速通信を行う機器を接続する時は上側に接続する用に御注意下さい。
ちなみに2個の「USB Type-C端子」はどちらも「USB Power Delivery対応」ですが、
同時に給電をした場合は より高い電源供給をするポートが使用されます。
「マルチ/マイクロUSB端子」が無くなったことで
使えなくなる機器もあるかと思いますが、
電源供給しながらUSB Type-C対応機器も使用できるようになるのは良いですね。
『α7 V』 ILCE-7M5 と 『α7 IV』ILCE-7M4 の違い
『α7 V』 ILCE-7M5 と『α7 IV』 ILCE-7M4 の違いを交えて
特徴などを紹介してきましたが主な違いをピックアップした比較表を御紹介致します。
(追加された設定など細かな内容は省略しています)
| ILCE-7M5 | ILCE-7M4 | |
| イメージ センサー |
分積層型 CMOSセンサー |
裏面照射型 CMOSセンサー |
| 有効画素 | 約3300万画素(静止画) 2760万画素(動画) |
|
| プロセッサー | BIONZ XR2 | BIONZ XR |
| ISO感度 (静止画) |
100-32000 拡張50-102400 |
|
| ISO感度 (動画) |
100-32000相当 | |
| ストップ (静止画時) |
最大16ストップ | 最大15ストップ |
| AWB | 精度向上 | |
| AF | リアルタイム認識AF | リアルタイム瞳AF |
| 認識対象 | 人物・動物・鳥・ 昆虫・車/列車・飛行機 |
人物・動物(瞳)・鳥(瞳) (鳥は動画非対応) |
| フォーカス エリア |
スポット(XS/S/M/L/XL) カスタムエリア |
スポット(S/M/L) |
| 位相差 検出方式 測距点(静止画) |
759点 (カバー率 約94%) |
|
| 電子シャッター | 最高約30コマ/秒 ブラックアウトフリー 最速1/16000秒 |
最高約10コマ/秒 最速1/8000秒 |
| メカシャッター | 最高約10コマ/秒・最速1/8000秒 | |
| 静止画機能 | プリ撮影 連写ブースト ノイズ低減用撮影 HDR用撮影 エクステンデッドRAW処理 |
|
| RAW記録 | 軽量化 | |
| 手ブレ補正 | 中央7.5段、周辺6.5段 アクティブモード ダイナミックアクティブモード レンズ協調制御 |
5.5段 アクティブモード |
| 動画撮影 | 4K 120p(S35) 4K 60p(FF) FHD 240p(FF) |
4K 60p(S35) 4K 30p(FF) FHD 120p(FF) |
| 動画機能 | フレーミング補正 オートフレーミング 音声ノイズ低減 PPLUT LUTモニター |
|
| ファインダー | 約368万ドット Quad-VGA OLED | |
| 液晶 | 3.2型 約209万ドット |
3.0型 約103万ドット |
| モニター | 4軸マルチアングル | バリアングル |
| 画面表示 | 設定拡充 | |
| 接続端子 | USB-Type-C(10Gbps) USB-Type-C(480Mbps) HDMIタイプA端子 マイク入力 ヘッドホン出力 |
USB-Type-C(10Gbps) マルチ/マイクロUSB端子 HDMIタイプA端子 マイク入力 ヘッドホン出力 |
| スタミナ | 静止画:約750枚 動画:約135分 |
静止画:約580枚 動画:約110分 |
| 縦位置 グリップ |
VG-C4EM(別売) | |
| 販売価格帯 | 約38万円前後 | 約32万円前後 |
※価格帯は発売日時の通常の販売価格帯です。
『α7 V』 ILCE-7M5 のザックリまとめ
フラッグシップモデル『α1 II』の特徴や機能を
ベーシックモデルに落とし込んだ感じになっていて、
使い勝手も性能も良いモデルになっていますよね。
前機種『α7 IV』ILCE-7M4 との違いとして「ブラックフリー撮影」
「プリ撮影」「リアルタイム認識」「4軸マルチアングル」など、
魅力的な機能が山盛りで挙げきれないですよね。
なので前機種からの買い替えもオススメできるモデルとなっています。
『α7 III』ILCE-7M3 ユーザーの買い替えもオススメですね。
個人的には今までに発売されたモデルの中で一番インパクトがありますね。
『α7 V』 ILCE-7M5 はベーシックモデルということで、
今後『α7Rシリーズ』や『α7Cシリーズ』にも同様の機能が
落とし込まれてくるかもしれないと思うとワクワクしますよね。
といったところで最初の方でも言っていましたが
非常に注目度も高い商品となっているので、
受注開始後はすぐに品薄になり数ヵ月待ちになる可能性も考えられます。
とにかく すぐに欲しいという人は2025年12月9日(火)の10時からの
先行予約販売開始直後に速攻で注文することをオススメ致します。
ソニーストアで購入予定の場合は前日までにラッキー抽選会を
済ませておくように御注意下さいね。(もれなく3千円~1万円お得になります)
ズームレンズキット「ILCE-7M5M」は4万円前後の「SEL28702」が
約2万円で付属となる計算なので非常にオススメとなっているのですが、
2026年春以降の発売予定というのが残念なところでしょうか。
また当店店頭にて『α7 V』の発売日の12月19日(金)より、
展示をする予定となっていますので気になる人は ぜひ御来店ください。
試してみたいレンズがあれば持ってきていただければ御対応可能です。
またメモリーカードをお持ち頂ければ画像のお持ち帰りもOKです。
ということですが ソニーのミラーレス一眼カメラのベーシックモデル
『α7 V』 ILCE-7M5 を宜しくお願い致します。
ミラーレス一眼カメラ『α7 V』
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2025年12月9日(火)の10時より
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ベーシックモデルの基準を刷新する、フルサイズミラーレス一眼カメラ
デジタル一眼カメラ 『α7IV』
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